「少しでも安くて良いものを。」

 

これは不動産に限ったお話では無く、何を買うにしても誰もが願う当たり前のことだと思います。

 

しかし残念ながら、こと中古の不動産に関しては、マンションにせよ戸建にせよ、基本的に「客観的なお買い得な物件」は無いと考えた方が良いでしょう。

 

なぜかと言いますと、中古物件が売りに出される「査定」においては、直近のものも含めた過去の成約事例を元に、物件価格が決められているからです。

「査定」方法についての詳細説明は長くなるので控えますが、簡単に言えば、①過去の成約事例を元に坪単価なり㎡単価を求め、②比較対象とした物件との違いを加味しながら対象物件の価格を査定して行くのです。③戸建や土地では、路線価等も判断要素として考慮していくのが一般的です。

 

したがって、客観的事実を元に市場性を優先した査定がなされるので、落とし所は一定となり、通常はお買い得な物件価格の設定はなされる事は無いと考えられるのです。

不動産に絡む仕事をしていると、安い物件にあたると逆に不安になります。マイナス要因は何か、その原因を探ろうとしてしまいます。

 

また、中古不動産の場合、多くは個人の方が売主ですので、原価をおさえる企業努力の様なものは考えられず、その為、価格を下げる理由を考えにくいという事になります。

 

 

ただ、もちろん例外はあります。

売主が売り急いでいる(一刻も早く現金化したい)等の特殊な事情がある場合には、指値交渉により安く購入する事が出来るかも知れません。

 

客観的なお買い得物件は存在しませんが、売主様側の「タイミング」によっては、多少の価格交渉をする事が可能な場面もあるのです。

 

同じ物件が二つとない不動産の購入場面で、①自分の条件に合った物件で、②且つ売主が売り急ぐ特殊な事情を抱えている物件を意図的に選別していくのは、かなり至難の業です。

 

「中古不動産では、お買い得物件は基本的には存在しない」という前提を知っておくと、安い物件があっても慎重に吟味する事になるので、問題のある物件を購入してしまう可能性を減らす事が出来るでしょう。

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